全部君とだった。
あっという間に、5年が過ぎてしまった。
5年前の私は今頃何をしていただろう。
あれ、全くツイートしていない。ちゃんと公演に備えて早目に寝たんかな。偉いやん、自分。
それか、ずーっと会いたかった2人に会える事考えたら、ツイートする余裕も無かったのかもしれない。あー、なんかそっちな気もする。
茶髪のウィッグを被っていた推しは、茶色の髪を揺らしながら今日も笑っている。
MCでトークを仕切っていた推しは、今では社長として会社を取り仕切っている。
そして、期待と不安を抱えながらライブハウスへ向かった私は、奇しくもその近くにある会社で働いている。
なんで好きになったのか?と聞かれると、正直全く思い出せない。ただ、その変人さに惹かれたと言ったら、嘘ではないと思う。
まず、2人とも被り物をする。なんなら片方はダンボールを被っている。
あと、先の動画で真面目に踊ったかと思ったら、突然意味不明な動画を上げる事も日常茶飯事。
さらに言えば、運動神経が良い訳ではない。1人は側転で躓くし、1人はワニに襲われる一歩手前で狼狽えたりしている。ダンスが特別うまい訳でもない。
ただ、そんな変人2人を5年も追いかけている私は、生粋の変人なんだと思う。あ、同推しに変人しかいないとかそういう事じゃないんですよ。でも、彼らのそういうところに惹かれた人は、少なからず居るんじゃないのだろうか。
2018年が始まってすぐ、今年こそは、のんびりと推し事をしたいなぁと思った。しない、っていう選択肢は無い。でも、私ももう27歳。周囲が結婚ラッシュを迎えているのを見ていると、そろそろ落ち着きたいな、と思う事も増えた。
でも、蓋を開けたら約1ヶ月に1回は会いに行っているし、特別なイベントがあれば遠征もしてしまった。私が住んでいる愛知からは、日本の真ん中であることもあって大体の場所へ陸路で行ける。なのに、飛行機に乗った。推しの生まれ育った北の大地へ向かうために。
舞台への出演が決まったときはとても動揺した。本当は1回だけ観に行くつもりだったけれど、なんだかんだあって2回観に行った。でも、あのときの決断は正解だった。
確かに他の出演者と比べたら、短い出演時間だったと思う。けれども、あの啖呵を切るシーンを観れただけでチケットの元は取れた。私の中で、とても衝撃的な出来事だった。それと同時に、この人は役者に向いているのかもしれない、と推しに対して可能性を感じた。
OADは、推し2人が目の前に並んだのを見て驚き、流れてきた曲を聴いて思わず涙が溢れた。あの日見ることが叶わなかった、2人のZIGG-ZAGG。笑顔で踊る2人は、私の一番大好きな2人の姿だった。それはそれは、素敵な演目だった。
Maze No.9がスタートしてすぐ、私はうどんを食べに香川へ行った。2年前に食べたバター釜玉うどんが忘れられなかった。無性に食べたくなった。そしたら、ちょうどその日に公演があって、偶然チケットを持っていたから見に行ってきた。結果、ボロボロに泣いた。こんなに泣いたのいつぶりだろうってくらいわんわん泣いた。推しがアイドルを続けてくれているという事実が、とても嬉しかった。
夏には、推しと1年半ぶりに話した。あ、正確にはすごいそっくりな美人さんか。美人さんと普通に世間話をした。相変わらずだった。なーんも変わってなかった。そうだな…ふとももがえっちだった、とは思ったし、撮った写真をもう一人の推しに見せたら、普通に怒られた。反省はしていません。
写真集発売の発表を聞いた時、ついに来てしまったかー!!って思わず叫んだ。
偶然、リリイベがある日に東京遠征が決まっていたから、私は無理やり予定に捻じ込んだ。
開店時間である10時をを少し過ぎたくらいにお店へ向かい、写真集を手にした。そして、頑丈に巻かれたフィルムを剥がし、ケースから抜いた。
その中には色んな野崎さんが詰め込みに詰め込まれていて、野崎さんを見ているのかそういうフェチ本を見ているのかわからなくなった。真顔で一旦全部見て、一息。ああ、なんてものをこの世に生み出したんだ。カメラマンさん、ありがとうございます…。
なんだかんだで走り抜けてしまった2018年。残り4週間もないことを考えるとゾッとするが、今年も推しが活躍した1年だった。そう、今年も。言い換えれば、いつもと変わらない1年だった。
ただ、ここ数年の間で接触の機会は減った。一度に多くの時間をかけて喋る事が、事実上出来なくなった事も一つの理由だが、私自身、短時間の方が話す内容が濃く感じるようになったのが一番の理由だ。一番に伝えたいことを、1分という短い時間に詰め込む事がとても楽しかった。
そういえばこの前、推しに対して率直に好意を伝えてみた。そうしたら「彼氏にも言ってるんだろう?」って返された。何故素直に受け止めないのか。思わず笑ってしまったのだが、そのままの勢いで次の言葉が出た。
「でも、野崎さんと出会えてなかったら・・」
私が、むすめん。を知ることは無かった。
中野公演を見ていなければ、叶えずにいた夢を叶えようと思わなかった。
素敵な友達にも出会えなかったし、何かしたいという気持ちだけで企画をすることもなかった。
全部君とだった。
だから、今の私がここに居る。
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文書を書くイルミィ達によるブログ・アドベントカレンダー企画
『ヲタのしみクリスマス2018』
https://adventar.org/calendars/3354
7日目担当 奏多(@k0v0m9)
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p.s.
これから更に、話す機会は減るだろう。
だから私は、今伝えたいことを素直に伝えようと思う。
直接言えない時は、"想い"を綴って手紙にしよう。
ぐちゃぐちゃになったっていい。まとまっていなくてもい。
手紙はそういうものだって、誰かが言っていたから。